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[TOEIC865点]世間の評価はどれくらい?(実体験に基づく)

英語力の証明手段として、日本で最も利用されている試験がTOEICです。

そんな日本人におなじみのTOEICですが、果たして何点取れば「英語できます!」と胸を張って言えるのか、実は人によって認識が曖昧です。
たとえば「TOEICで英語力を証明して転職しよう」と思っても、そもそも何点を目標にすればいいのか、イマイチわからなかったりしますよね。

そりゃあもちろん満点の990点が取れたらベストなんでしょうが、現実問題としてかなり難しいですよね。。

そこで今回は、私が実際にTOEIC865点を取ってから受けた「世間の評価」を赤裸々に綴りたいと思います。
TOEICの実際のところの評価が気になる方、ぜひご参考ください!

知人からの評価

まず、周りの知人たちからの評価です。
これは当たり前かもしれませんが、大きく以下2パターンに分かれました。

  • 英語話さない人「865!?凄すぎ!神!」
  • 英語話す人「おーおめでとう、頑張ったね」

前者からは「865点=英語ペラペラ」という扱いでした。
「外資系に転職しないの?」と言われたり、英訳を頼まれたり、「ちょっとこれ英語で言ってみてよ」とか言われたりしました。

一方、後者はまったく逆で、「865点=まだ英語話者の入口」という扱いでした。
これは、英語をある程度話す人たちはTOEICのスコアと英語力の実態が乖離していることを知っているためだと考えられます。
(私の英語力の実態については後述します)

でもTOEICが試験としてある程度難しいことも知っているので、(英語力は別として)その頑張りは普通に認めてくれるという感じです。

職場での評価

私は日本で英語を使う仕事はしなかったのですが、865点を取得してから2つの会社に派遣社員として勤めたので、そのときに受けた評価を書きます。
基本的にこんな感じでした。

  • 英語ペラペラだと思われる
  • 英語を扱う仕事を渡されそうになる
  • 英語に関する質問を頻繁に受ける
  • 外国人の社員やお客さんと英語で話すことを促される

会社にもよるでしょうが、865点はかなり評価してもらえた印象でした。
日本の会社の場合、がっつり外資系とかでなければ、TOEICのスコアのみでほぼ無条件に英語人材認定されることが多いのかもしれません。

TOEIC865点の英語力の実態

さて、もはや日本ではほとんどの人に「英語ペラペラ」認定されてしまう865点。
ではその英語力の実態はどれくらいなんでしょうか。

先にちょっと書きましたが、残念ながらTOEIC865点は英語ペラペラではありませんし、「英語できます!」と胸を張ることもできません。
私の英語力は、具体的にはこんな感じです。

・ノンネイティブとのマンツーマンだとある程度会話できる
・ノンネイティブのグループ内だと6〜7割くらい会話できる
・ネイティブとのマンツーマンだと5割くらい会話できる
・ネイティブのグループ内だと3割くらいしかわからない
・海外ドラマや映画は3〜5割くらいしかわからない
・ビジネス英語は全く使えない
・敬語表現も満足に使えない

いやーこうなると、なんだかもう詐欺ですね。
そもそもLISTENINGとREADINGのみのスコアなんですから、高得点=英語ペラペラとなるわけがありません。

実は私自身、かつては「TOEIC800点を超えたらきっと英語ペラペラなんだ!」と思っていました。
実際取ってみて、結果ペラペラには程遠いので、自分でもショックです(笑)

データでみるTOEIC865点の評価

ではなぜ、世間のイメージと実態がここまでかけ離れてしまっているのか。
おそらく世の中に存在するTOEICのさまざまなスコア別データが影響しているのではないかと思います。

まず受験者のスコア分布
2018年実績によると、845点以上のスコア取得者割合は

  • 公開テスト:7.4%
  • IP TEST:2.8%

となっており、なかなかの少なさです。
この分布割合が世間のイメージに与えている影響は大きそうです。

次に、TOEICを主催している国際ビジネスコミュニケーション協会による英語力レベル解説
実は2016年5月に新形式に移行してからはレベル解説がかなり複雑になっているのですが、世間のイメージはいまだ旧形式の5段階で止まっています。

具体的にはこちら。

Aランク(860~990) Non-Nativeとして十分なコミュニケーションができる。
Bランク(730~860) どんな状況でも適切なコミュニケーションができる素地を備えている。
Cランク(470~730) 日常生活のニーズを充足し、限定された範囲内では業務上のコミュニケーションがとれる。
Dランク(220~470) 通常会話で最低限のコミュニケーションができる。
Eランク(5~220) コミュニケーションができるまでに至っていない。

この分類だと、865点はAランク「Non-Nativeとして十分なコミュニケーションができる」になってしまいます。
いや〜後ろめたさのあまりお腹が痛くなります。。

さらに、大学別の平均スコア表や、企業別の採用・昇進基準スコア表なんかも存在します。

まず平均スコア800点以上の大学一覧はこちら。

938点 上智大学国際教養学部
920点 国際教養大学
877点 東京外国語大学外国語学部英語学科
874点 国際基督教大学
865点 上智大学外国語学部英語学科
823点 一橋大学大学院法学研究科
800点 東京大学大学院生(文系)

そうそうたる顔ぶれです。
何かを勘違いしそうになってしまいます。

そして採用基準800点以上の企業一覧はこちら。

スコア 採用 昇格・昇進 海外赴任
920以上
  • 韓国サムスン(中核人材A級・課長)
900以上
  • 韓国サムスン
  • パナソニック(国際広報担当)
860以上
  • 野村ホールディングス(グローバル型社員)
  • 富士通(海外出張)
  • 三菱商事(社内留学)
850以上
  • NTTコミュニケーションズ
830以上
  • 京葉銀行(人事評価に反映)
800以上
  • 韓国LG
  • 韓国ヒュンダイ
  • 住友不動産
  • 野村不動産
  • 韓国サムスン(既存社員)
  • 日立製作所(経営幹部)
  • 三井住友(総合職全員の努力目標)
  • KDDI(事務・技術職の配属、異動)
  • サイバーエージェント(海外部門)
  • 日本マクドナルド

なんかもうこうなってくると、もはや日本におけるTOEICハイスコアは黄門様の紋所のようなものに思えてきます。。

もちろんTOEICのスコアだけで採用されるわけではなく、あくまで基準の一つです。

結論:TOEIC865点は諸刃の剣。しかしメリットはデカイ

結論として、TOEIC865点は世間からかなり評価してもらえます。
ただし日本国内においては「英語ペラペラ人材」と勘違いされるリスクが高確率で伴います

実際にペラペラならもちろん問題ありませんが、実力が伴わない状態で採用されてしまうと、のちのちメッキが剥がれて苦労してしまうかもしれません。

やっぱりTOEICはあくまで手段でしかなく、その先に目的を置くべきなのだなぁと実感しました。

でも、だからといってスコアが無意味だとは全く思いません。
英語力の証明以外にも大きなメリットがあるからです。

例えば、TOEICのスコアによって英語力以外のスキルも認めてもらえます。

具体的には、

  • 新しいことを恐れず挑戦する力
  • 物事を諦めずに最後までやり遂げる力
  • 目標達成するために創意工夫する力

といったスキルです。

私の場合、英語の勉強を始めた年齢が33歳であったことや、1回の受験で目標スコアを達成したことも評価の後押しになりました。

あと、何よりTOEICのハイスコアは取れると単純に嬉しいです。
英語力の向上って自分ではなかなか実感しづらいですが、TOEICは明確に点数という一つの基準を示してくれます。

高得点が出ると頑張りが報われた気持ちになるし、何より「これからも英語の勉強頑張ろう」というモチベーションになります。
たとえスコアに対する世間の評価が実態とずれていたとしても、です。

最後に:TOEIC頑張ってよかった

国際的に通用するのは間違いなくTOEICよりもTOEFLやIELTSですし、「TOEICできたってどうせ話せないじゃん」って意見もまぁごもっともですが、

それでも日本ではTOEICブームがまだまだ続くと思います。
これが現実。

ペラペラ人材認定の予防線は張る必要があるものの、実際に評価されるのですから、ハイスコアを取っておいて損はありません。

その上であえていうなら、TOEICは英語力の証明としてよりも、むしろ英語学習の入口として利用するのが本質的なのかもしれないですね。
そういう実態を理解した上で、手段としてうまく付き合っていければいいのではないでしょうか。

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