海外転出 年金

[海外転出の失敗談]年金脱退は別で手続きが必要だから気をつけて!

フィリピンに移住して1年が経ちました! フリーランスのchieです。

私はフィリピンに移住するにあたり、移住後は住民税・年金・国民健康保険の支払いが発生しないように手続きを行いました。
具体的には海外転出届というのを役所に提出したんですね。

私はこの手続きは2回目だったんですが、実は1回目(約4年前)のときに大きなミスをやらかしまして。。
今回はその失敗談をシェアしたいと思います。

海外への長期滞在で海外転出をする予定の方、そして特に年金も脱退するつもりの方に参考になるんじゃないかと…!
私と同じ失敗をする人が一人でも減るよう願いを込めて!

失敗!海外転出したのに年金が脱退できていなかった

早速ですが、私がどんな失敗をやらかしたかというと、これです。

海外転出したのに年金が脱退できていなかった

これだけだと訳がわからないですよね^^;
そもそも海外転出とは何かから簡単に説明します。

海外転出(国外転出)とは…
移住・出張・留学・旅行などで1年以上国外に滞在するにあたって、日本国内に生活拠点を持たない場合に必要な手続き。
住んでいる市区町村の役所で国外転出届を提出する。

で、重要なのはここからです。
日本人が海外転出をすると、それに伴ってなくなることが幾つかあります。
それがこちら。

  • 国内に住民登録がなくなり住民票が取得できなくなる。
  • マイナンバーカードが失効される。
  • 国民健康保険の加入が抹消され、保険証が使えなくなる。
  • 国民年金の加入義務がなくなる。

これらの事由により、結果として住民税・年金・国民健康保険の支払いがなくなるというわけなんですね。

さぁ、いよいよ核心です。
この住民税・年金・国民健康保険ですが、海外転出においては、実は年金だけ少し性質が違います。

まず、住民税と国民健康保険は、海外転出届を出すと同時に自動的に支払いがなくなります。
先に書いた通り、海外転出によって住民登録と国民健康保険が強制的に抹消されるからですね。

ところが年金だけは、海外転出をしても何も抹消されません。
これは、年金は海外転出によって加入の義務がなくなるだけで、既に加入している情報が取り消されるわけではないからです。

つまり、

年金は海外転出だけしても自動的に支払いがなくなりはしない。
海外転出とは別に年金脱退の手続きが必要。
※ただし市区町村によって違う可能性あり

ということです。

私がした失敗がまさにこれでした。
海外転出届だけ出して年金脱退の手続きをしていなかった!

海外転出したのに年金が脱退できていなかったらどうなる?

この失敗をやらかすとどうなるかというと、答えはシンプル。
年金督促状が届き続けます。

年金にまだ加入していて、海外転出後は支払いが滞っているわけだから、当たり前ですね^^;
私の場合は郵便物の転送先を実家にしていたので、母から「年金の督促状来てるんだけど」と連絡をもらいました。

なぜこんなミスをしてしまったのか?

「私がバカだったから」の一言なんですが、後で振り返ると原因が2つ思い当たったので紹介します。

「海外転出すれば年金支払いも自動でなくなる」という解説を読んだ

私は当時世界一周を目指していたので、世界一周ブロガーさんたちがまとめてくださっていた海外転出の解説記事をたくさん読んでいました。
で、そのとき読んだブログの中に「海外転出=自動的に年金免除」という文脈の解説が多かったんです。

別に嘘が書かれていたというわけではなく、おそらく「海外転出したが年金は加入したまま世界一周に出発した(年金脱退の手続きについてはわからないまま解説記事を書いた)」「年金離脱の手続きもしたが(役所が手続きを促してくれたので)自動免除と認識した」ブロガーさんが多かったんじゃないかと予想します。

そして、市区町村によっては本当に自動で脱退手続きされた場合もあるのかもしれません。
例えば、東京都江東区のサイトにはこのように書かれています。

海外への住民異動届をされる際に、在外任意加入を希望しない旨をお申出ください。
住民票の異動処理に伴って自動的に国民年金第1号被保険者の資格喪失処理がなされますので、年金でのお届けは必要ありません。

この文脈からするに、おそらく江東区役所では海外転出届提出の際に「年金はどうしますか」と確認してくれて、離脱する場合その手続きを代行してくれるんじゃないでしょうか。
そうだとしたら素敵すぎる!

ちなみに東京都小平市のサイトではこんな風に書かれています。

海外に転出すると、第1号被保険者(自営業、農林漁業、学生、無職、任意加入者など)は自動的に加入資格を喪失します。
引き続き国民年金に加入する場合は、任意加入手続きが必要です。

やはり加入手続きのみで、脱退手続きについては言及されていません。
これは自分でやらなきゃなのか代行してくれるのかわからないパターン。

そしてラスト、東京都板橋区のサイトでの案内がこちら。

(国民年金の任意加入を希望しない方)
国外へ転出する手続き後、国民年金の窓口で喪失の手続きをしてください。

これは明確に「別で手続きが必要だよ」という文脈ですね。

当時の私は「年金脱退は別で手続きが必要」という解説を見つけられなかったんですよね。。
何はともあれこの失敗から言えることは、ちゃんと自分で該当の市役所に直接確かめた方がいいということかなと思っています。

市役所が年金脱退手続きを案内してくれなかった

私が海外転出届を出した時は、まだ支払い終わっていない住民税の一括払い手続きについては案内してもらえたんですが、なぜか年金脱退の手続きは案内してもらえなかったんです。

むしろ、海外転出届を出したときに「年金もこれで脱退したんですよね?」って聞いたら「そうですね」って返されたんですよ…!

そもそも海外転出って、厳密には市民課での海外転出の他に「国民健康保険失効(国民健康保険課)」「住民税支払い(市民税課)」「年金脱退(国民年金課)」が発生して、それぞれ管轄が別の課なんですよね。(市区町村によって違うかもですが)

さらに、海外転出自体あまりメジャーじゃない上、同時に年金脱退までする人はもしかしたらもっとレアで、役所の人も何が必要なのかあまりわかっていない可能性もあるのかなと。

私は「役所の人が言うことなら間違いないだろう」と思って思考停止しがちだったんですが、その後国民健康保険料の計算を大幅に間違われる事態も起き、「やっぱり自分でもしっかり調べないとダメだ」と認識を改めました。
以来、役所にはむしろ答え合わせに行く、もし答えが違っていたら何故違うのかを明らかにするくらいの気持ちで行こうと心に誓いました。

海外からどう対処した?

年金督促状が届いた当時私はドイツにいたので、問合せ先として書かれていた市の年金管理局にLINEOUTで電話しました。

で、脱退するには本人が窓口に来て手続きするしかないと一点張りされました(泣)
もちろん行けるわけがないので「じゃあ督促状を無視し続けるしかないですね…」と言うと、今度は「ご家族が来てください」と言われました(泣泣)

私の家族は熊本在住で、私が住んでいた市は関東です。
これも無理なので「行けません」と何度も何度も言ったんですが、もう、本当に、ずーーーーーっと「本人か家族が来い」で一点張りされました。

で、最後の最後にこちらから「郵送では手続きできないんですか?」と聞いたら、電話口でしばらく待たされた後、最終的に「郵送でご家族が手続きできます」と言ってくれました。
その後実家に必要書類を郵送してもらい、家族の代筆でなんとか無事脱退できました。

結構長い時間交渉したので、おそらくこれはかなり特別な対応をしてくれたんでしょう。
申し訳ない気持ちと、「そうはいっても市役所が不親切すぎだよー」って気持ちと正直半々でした^^;

こんな思いをしないためにも、海外転出時の年金手続き(任意加入するにしろ脱退するにしろ)は気をつけるに越したことないと思います。
個人的には「海外転出時は(特に案内されなくても)とりあえず年金課にも行ってみる」がオススメです!

おまけ:実は海外転出2回目もミスった

こうして失敗を経て、海外転出時の年金手続きについては一通り学んだつもりだったんですが、実は2回目の海外転出時も別のミスをやらかしました。

2回目の海外転出は退職から6日後にやったんですが、なんと厚生年金→国民年金に変更する手続きをし忘れていたんですね。
そもそも加入できていない国民年金を脱退もできないということで、まず加入手続きが必要だと言われてしまいました。

で、加入手続きには離職票や退職証明書など厚生年金を抜けたことがわかる書類が必要なんですが、全く頭になかったので当然持ってきておらず。。
海外転出したらそのまま空港に行って出国する予定だったのでかなり焦りました^^;

このときは幸い、退職直後に国民健康保険の加入手続きをしていたので、そのときに提出した退職証明書を年金課の人が確認してくれて、なんとか同日中に加入→脱退の手続きができました。

もうこれに関しては100%私の過失ですね。。
市役所の方にご迷惑をお掛けしました。。

もし3回目の国外転出をすることがあったら、とりあえず出国と同日に手続きするのだけはやめようと思っています^^;
何かと抜けている人間なので慎重に慎重を期すように心がけます…!
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