こんにちは、海外在住フリーランスのchieです。
先日タイのカンチャナブリに1泊2日でショートトリップしてきました。
そのときに行ったJEATH戦争博物館が個人的にかなりヒットだったので、今回はその魅力を紹介したいと思います。
JEATH戦争博物館とは
JEATH戦争博物館は、カンチャナブリの人気観光スポットであるクウェー川鉄橋のすぐ近くにあります。
クウェー川鉄橋は、映画「戦場にかける橋」の舞台になった橋として世界的に有名です。
私の世代では、映画に出てくる口笛のメロディがなぜか「サル♪ゴリラチンバンジー♪」の替え歌で流行っていました^^;
そして映画でも描かれている通り、クウェー川鉄橋を含む泰緬鉄道は太平洋戦争中に旧日本軍によって建設され、建設に従事したアジア人労働者や連合国軍捕虜たちが10万人以上(諸説あり)も亡くなっていることから、世界的には「Death Railway(死の鉄道)」と呼ばれるほど由々しい戦争犯罪として知られています。
この泰緬鉄道に関する博物館はいくつかあり、そのうちの一つがJEATH戦争博物館です。
タイの仏教寺院によって設立されたため、敷地内には寺院施設も併設されています。
それでは中の様子を写真と一緒にお伝えしていきましょう!
博物館パート
博物館のエリアでは、主に当時の日本軍が使っていた乗り物や物品が展示されています。
ただし保存状態がどれも悪くものすごく朽ち果てています。それはそれで心に迫ってくるものもありますが、歴史遺産の保管としてはなんとも勿体無い気もします。
大戦時実際に走っていた物品運搬用の汽車
鉄道建設の視察で日本軍司令官が乗っていた馬車
こちらのジープやバイクは人形付き。顔がいかにも日本人!
マラリアにかかってしまった捕虜たちを病院に運んだ船
日本軍が使っていた生活用品
博物館パートはほとんどのエリアがこんな感じで雑多に物品が展示されているんですが、ときどき当時の様子の再現物もあります。
クウェー川鉄橋建設時の日本軍キャンプを再現したジオラマ
鉄橋を建設する労働者たちと、指揮する日本の軍人。労働者たちの表情が悲哀に満ちていますね。。
車両をこんな風に牢獄としても使っていたということでしょうか。
建設現場の仮設病院の再現。映画「戦場にかける橋」に出てきた病院とそっくりです。
日本軍の三等兵の寝室の再現
当時の写真や新聞記事らしきものもいくつか展示されていて興味深かったです。
個人的に一番印象深かったのが、当時の日本軍がタイの人々に発したこの宣言文。
「英米からタイを守るために来たのだから協力せよ(さもなくば罰する)」というロジックで呼びかけていたようです。
こうやって実際に文章で見るとなかなか衝撃的でした。
どの展示にもタイ語と英語で簡単な説明があり、かなりボロボロではありますが読みやすいです。
ただ、同じカンチャナブリにある「Death Railway Museum」に比べると学術的要素はほとんどなく、「博物館」としては見劣りするのは否めません。
少しでも長く維持されることを祈ります。
洋館パート
JEATH戦争博物館は、一部が洋館のような建物になっているんですが、そこがなんとも言えない絶妙な朽ち果て具合ですごく雰囲気があるんです…!
洋館萌えや廃墟萌えの方にはこのグッとくる感じがきっと伝わると思うんですが、どうでしょう。
博物館の階から階段を登って上がれるので、ぜひ上がってみてください。
寺院パート
個人的にとてもよかったのが、博物館と併設されている寺院施設です。
博物館パートだけで帰ってしまう人が多かったんですが、寺院の中も絶対見た方がいいと思います。
こんな感じで、白亜ベースの鮮やかな仏塔と寺院が建っています。
寺院の入口入ってすぐがこのような本堂になっています。
壁画がものすごく綺麗でした。
色鮮やかで神秘的。圧倒されるほどでした。
帝釈天、というよりヒンドゥー教のインドラですかね。
とても味わい深い表情をされていました。
この寺院が確か5階建てで、4階まで登ることができました。
寺院の中も2つの建物に分かれていて、小さい渡り廊下みたいなのでつながっています。
上の階にも壮大な壁画がありました。
これがまたとても色彩豊かで、人々の表情や動きも生き生きとしていて素晴らしかったです。
アユタヤ朝時代にビルマ軍と勇敢に戦ったバン・ラチャン村の物語が描かれているようです。
刀剣も展示されていました。
かっこいいですね! チェンマイで見た刀を使った舞踊を思い出しました。
天井の文様がまたとても美しいんです。
異世界に来たような気分になります。
さらに上の階には、タイ歴代国王の肖像画が並んでいました。
これまた圧巻の作品群です。
寺院というより、美術館に来たような感覚です。
なんと、生後1ヶ月くらいっぽい子猫が隠れていました。
4階だったかな?よっぽど人来ないんですかね。
下の階で成猫2匹が激しく喧嘩していました。
で、うち1匹が
さっきの子猫の親のようです。
顔がそっくりでしたw
渡り廊下を渡った隣の建物には、白壁に黒と金で絵が描かれていました。
これまた見事です。こちらもタイ王朝の歴史が描かれているみたいですね。
最後に、外側から見た寺院です。
兵士らしき像が無数に壁に並んでいます。
建物の造り自体も面白いし、荘厳な本堂、美術館ばりの壁画、極め付けに猫までいて、すっかりのめり込んで探検してしまいました。
いつかもう一度行きたいと思うくらい気に入りました!
「戦場にかける橋」撮影スポット
JEATH戦争博物館のクウェー川側は、クウェー川鉄橋を斜め左から見渡せる絶好の撮影スポットにもなっていました。
まず1階の博物館エリアから撮った写真がこちら。
ここからだとほぼ真横視点の橋も撮ることができます。
そして個人的に特におすすめなのが、寺院パートの最上階から撮るクウェー川鉄橋。
こんな感じの、上から見下ろし気味の俯瞰写真が撮れます。
いや〜かっこいい!
ジオラマモードで撮るとミニチュア感がはんぱないです。
私がここにいたとき、ちょうどタイミングよく列車が橋の上を通りました。
ますますおもちゃ感が。楽しい!
おまけ。
すぐ下で素潜りで魚捕ってる人もいました。
面白くてしばらく眺めてました。
以上、JEATH戦争博物館の魅力を紹介しました。
入場料(40バーツだったかな?)はメンテナンス費として使われるようなので、今後も施設が維持されるよう、是非たくさんの人に訪れてほしいです。
猫探しも楽しんでみてください^^