ランサーズ コンペ

ランサーズのデザインコンペで勝つ方法を8勝35敗の経験から考えてみた

仕事の半分以上をランサーズ経由で請け負っています、フリーランスのchieです。

現在の私の仕事は「デザイン」「ライティング」「動画編集」の3つが軸です。
このうちデザインについては、ランサーズ上でコンペに参加することで受注したりもします。

でもランサーズのデザインコンペって正直、全然受からなくて心が折れるんですよね。。
たとえば売上が上位20%の認定ランサーであっても、提案実績を覗くと10件以上応募してやっと1件当選という方もたくさんいらっしゃいます。

むしろ勝率3割以上のデザイナーなんてランサーズ上に存在しないんじゃないかなって感じです。
少なくとも私は見たことがないです。。

コンペに落ちるとそのデザインにかけた時間が無駄になってしまうので、「コンペに参加すること自体が無駄」という人もいるんですが、私はたとえ落ちるとしてもコンペ参加は有意義だと思っています。

なにより場数が踏めるのが大きいし、落ちてもその作品は提案実績としてプロフィールページに残すことができます。
実際、落ちたデザインを気に入って仕事を直接依頼してくれるクライアントさんもいるんですよね。

とはいえ、せっかく応募するからには当然、落ちるよりは受かりたいのが正直なところ。
デザインコンペは1件の単価が大きいので売上的にもインパクトがあります。

そこで今回は、私のコンペ43戦参加の経験から考え出した、ランサーズでデザインコンペに勝つ方法をまとめてみたいと思います。

ちなみにタイトルに書いている通り、私の戦績は43戦8勝35敗で、勝率にして18.6%程度です。

これが果たしてランサー全体の中でどれくらいの位置なのかわかりませんが、何はともあれ8回の勝利経験があり、一応認定ランサーでもあるということで、少なくとも初心者の頃よりは確実に勝利傾向を掴めていると思います。

具体的なテクニックから精神論まで思いつく限り書き出してみたので、ランサーズのデザインコンペで勝つために何かしらの情報が欲しいという方は、よかったら是非参考にしてみてください!

ちなみに私が応募しているデザインのジャンルは主に印刷物・DTPデザインです。
ただ、大まかな傾向はおそらく他のデザインジャンルにも共通するのではないかと思います。

勝利法則1:締切直前の案件に応募する

デザインを提案すると、できるだけ早く結果が知りたくなります。
逆に、結果がなかなか出ないと気になって次の案件に集中しづらくなります。

特に、締切までが長い状態で提案してしまうと、自分の後にも有力なデザイン案がどんどん提案されてくるので、それを見て胃がキリキリしたりします。

パッと提案してパッと結果が出てパッと次にいくリズムを保つのが健全なので、できるだけ締切直前の案件に応募するのがおすすめです。

勝利法則2:ライバルが少なそうな案件に応募する

当然ですが、ライバルが少ない案件ほど当選確率が上がります。
デザインしやすい案件ほど提案が集まるので、ライバルが少ない案件はデザインが難しかったり要求が複雑な場合が多いです。

それでも案件によっては、一般的には難しいけどちゃんと読み解けばそうでもないというケースが少なからずあります。
なのでライバルが少ない案件を見つけたら、ぱっと見で諦めずに思い切ってチャレンジしてみるのがおすすめです。

私の場合、ロゴデザインは提案数がかなり多いので敬遠し、その代わり比較的ライバルが少ないチラシ・パンフレットなどに積極的に応募しています。

勝利法則3:他の提案に勝てそうな案件に応募する

案件によっては、選定前から全提案者のデザインが公開状態になっているものもあります。

その場合は、自分より先に出ているデザイン案全てに勝てる自信のある場合のみ応募します。
当然ですが、既に出ている案にすら負けてる状態で当選できるわけがないですからね><

逆に「このデザインにはどう頑張っても勝てないなぁ」と感じたら、私は結構潔く諦めるようにしています。
戦う前から逃げ出すようでかっこ悪いかもですが、他に勝てる戦があるのなら「逃げ」も戦略としてアリだと思っています。

とはいえ、デザインは後出しする側が圧倒的に有利なんですけどね!
あと、デザイン完全公開の案件は自分のアイデアが後出しで真似されないように締切直前に提案するのがおすすめです。

勝利法則4:クライアントのプロフィールページをチェックする

案件ページに情報がしっかり載っていたとしても、必ずクライアントのプロフィールページもチェックするようにしています。
特に、そのクライアントの過去のコンペ実績を見ると、デザインの好みや傾向が掴めることがあります。

あと、ランサーからの評価が明らかに悪かったり、発注率が以上に低いクライアントのコンペ案件は、リスクが高いので基本的には参加しないようにしています。

勝利法則5:クライアントのウェブサイトをチェックする

コンペ案件の媒体発行元が企業の場合は、その企業のウェブサイトや関連サイトも必ず見て、商品やサービスの意図・ターゲット・雰囲気などをできるだけ具体的に掴むようにしています。

色合いやテイストに特に要望がなければ既存ウェブサイトのトーン&マナーを参考にすることもありますが、案件によっては「ウェブサイトとは全く別にしたい」という場合もあるのでケースバイケースですね。
特に、ウェブサイトのデザインがあまりイケてないときは、トーン&マナーをなぞっても逆効果な可能性があるので要注意です。

勝利法則6:クライアントのコメントをチェックする

コンペ案件のページには「コメント一覧」というタブがあり、クライアントが既に出ている提案に対してコメントを残している場合があります。

このコメントから「もっと○○にしてほしい」という具体的な要望や「このデザインはとても良い」といった好みの情報が拾える場合があるので、デザインをつくる前に必ずチェックするようにしています。
場合によっては案件概要よりも重要な情報がここに眠っていたりします。

勝利法則7:デザインに自分なりの付加価値をつける

可能であれば、デザイン以外の付加価値を何か一つでも提案できると、ライバルより優位性が出せて勝ちやすくなる気がします。
例えば、クオリティーの高い写真素材を調達する、オリジナルイラストを付ける、印刷入稿まで請け負うなど。

ちなみに私の場合は、ストックフォトサービスを有料で契約し、受注時にはその写真素材をクライアント側の費用負担なしで利用できるようにしています。

さらに、できるだけオリジナルのキャッチコピーを考えてデザインに入れるようにしています。
これが結構効果的で、デザインというよりキャッチコピーで採用してもらえた気がする案件が8件中3件ありました。

実は私自身、デザインよりもキャッチコピーを考える方が得意だと感じていて、キャッチコピーを先に考えてそれに合わせてデザインをつくることが多いです。

勝利法則8:デザイン案を複数提案する

デザイン案を複数提案するのは負担が大きいですが、その分メリットも大きいです。
「数打ちゃ当たる」の法則もあるし、何よりクライアント側がこちらの熱意を感じてくれます。

私がよく目にしたのは、複数案提出することで、当選できなくても入選できた(参加報酬枠に入った)というパターンです。
「参加報酬は案をたくさん出してくれた方に」と考えるクライアントが結構多い気がします。

また、熱意を感じてもらえると、別のコンペにも招待してくれたり、別の案件で直接依頼をもらえたりすることもあります。
私もコンペには落ちたけど同じクライアントから別の案件で直接依頼をもらえたケースがありました。

勝利法則9:デザインに理由を持たせる

私がライバルのデザインを見てたまに感じるのが、「デザインに理由がなさそうだなぁ」ということです。
具体的には、なぜこの色なのか、なぜこの書体なのか、写真はなぜこの大きさなのか等。

こういった一つ一つのデザインに理由が見えてこず、全体が「なんとなく」になってしまっている提案は、やはりなかなか受かりにくい印象です。
おそらく、クライアント側にも詰めの甘さが伝わってしまうんじゃないかと思います。

デザインの理由は別に、正しくなくてもいいし、後付けでもいいんです。
ただ、最低限、デザイナー自身の中では理屈が通ってなければならないと私は思っています。

コーポレートカラーと相性の良い色だからサブカラーに設定した。
親しみやすさより信頼感を出したかったから明朝体にした。
文字とのコントラストを出す上で最もバランスの良い大きさに写真を設定した、等々。

デザインにロジックを持たせることで提案が強くなり、結果としてそれがクオリティーの高さとなってクライアント側に伝わるんじゃないかと思います。

勝利法則10:仕上がりに妥協しない

デザインしているとよく、どうにも要素がバランス良くおさまらなかったり、いまいちインパクトに欠けたり、「あと少しで仕上がるんだけどどうすればいいのかわからない!」という場面に出くわします。

ここで「時間もないし、もうこれでいいか」と諦めると、やっぱりどこか中途半端な仕上がりになってしまいます。
で、そういう中途半端さって選ぶ側にも伝わってしまうんですよね。

個人的におすすめなのは、あえて一晩寝かせる方法です。
寝て起きてスッキリした頭で改めてデザインを見ると、意外にすぐ解決方法が見つかったりします。

そして何より、自分でしっかり「やりきった!」と思えるデザインの方が愛着が湧くし、提案実績としても誇りが持てます。
落ちた時に「あ〜やっぱりな〜」と思うよりも、「くそっ!自信あったのに!」と悔しがれる方が、次の提案へのモチベーションにもなる気がします。

勝利法則11:モックアップをつける

モックアップは実際の利用イメージのことで、例えばウェブサイトデザインだったら実際にパソコンやスマートフォンの画面に当てはめてみたイメージ、立体POPデザインだったら実際に組み立てた時のイメージなどをつけて提案します。

デザインの画像だけ見るのとモックアップイメージも見るのとでは印象がかなり変わるので、マストじゃないにしてもできるだけ付けるのがおすすめです。
モックイメージが素敵なだけで元のデザインが2割増しぐらいに見えたりもします。

DTPジャンルの提案だと意外とモックアップを付けない人も多いので、提案の差別化にもなります。

勝利法則12:提案文に「意図」を書く

私はいつも、法則9に挙げたような理屈をデザインの意図として提案文に書くようにしています。

ただデザインをポンと出すよりは、何かしら意図の説明が付いていた方がクライアント側に納得感が生まれる気がするんですよね。

そして何より、デザインは個人の好みによっても評価が左右されるので、より普遍的に伝わりやすい文字情報はとても重要です。
特に決裁者が担当者の先にも複数いて意見が分かれた場合は、意図が理屈で補強されているデザインの方が選ばれやすいと私は考えています。

ただ、あまり長々と理屈を語りすぎるとうざったいかもしれないので、個人的には簡潔にわかりやすく書くのがおすすめです。

勝利法則13:落ちても凹まない。ただ反省はする

ここからは精神論ですが、ものすごく重要だと思っています。
落ちても決して凹まないこと。

先にも書いた通り、デザインはどうしても個人の好みによって評価が分かれます。
万人に受けるデザインはおそらく存在しない。

客観的に見て「これは無いだろう」と思うようなデザインが当選することも少なくありません。
なので落ちても凹む必要なし。またチャレンジすればいいだけです。

ただ、結果を踏まえて自分のデザインを反省する必要はあると思っています。
当選したデザインと自分のを見比べると、「ああ、私のデザインには確かにここが足りなかったな」と学べることも多いです。

そういう反省点を毎回ノートに書き出していって、新しいコンペのデザインをつくる前に毎回読み返すのもいいかもしれません。

勝利法則14:勝ったときのご褒美を設定する

これはモチベーション維持に有効です。
私は結構、毎回小さいご褒美を設定しています。ケーキを食べるとか。

フリーランスは仕事量が収入に直結することもあって、自分に厳しい人が多い気がするんですが、そのスタンスでコンペに参加し続けるとかなり消耗します。
最初に書いた通り、10本提案して1本通るかどうかの世界ですからね。

だからむしろ「当選したら快挙!」くらいの気持ちでやるのが個人的にはおすすめです。

最後に:デザインコンペは「入口」として利用しよう

勝つ方法を長々書き連ねておいてなんですが、それでもやっぱりコンペはしんどいです。
ランサーズのコンペだけで生計を立てようと思うと、精神的にかなり追い込まれると思います。

なのでコンペは、ゆくゆく定期的な仕事を取っていくための入口として利用するのがおすすめです。
コンペをこなしていくうちに自然と提案実績が増えていくし、クライアントの目にも留まりやすくなります。

そうして1本でも受注できて評価がついたら、その後は徐々に仕事が入りやすくなるはずです。
私自身そうでしたし、他のランサーからもそういう経験談が多く聞かれます。

あと、できれば楽しんで参加できるといいですよね!
気楽に、でも真剣に、そして楽しくを私も心がけています。

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